資産課税で働きアリが馬鹿を見る世の中へ
消費税の増税が目前に迫っています。増え続ける社会保障費に対して、税収は思うように伸びていません。消費税を10%にするのはやむを得ない事、というのが世の中の多数派の意見だと思いますし、私もそれは理解しています。
しかし、その程度の増税では足りない、全然足りないのです。高齢化社会のピークを迎える20年後の財政は、社会保障費や国債費の増加で首が回らなくなり、下手をするとデフォルトしているかもしれません。また、年金の財源も乏しくなり、給付額も実質的に大幅減になっている恐れもあります。
ではどうするべきかと言うと、今の時期から働きアリのように一生懸命働いて、将来の冬に備えなさい、国は少なくとも2000万円貯めなさいと言っています。私もそこは同意見で、将来のセミリタイアに備えて会社勤めや資産運用でお金を少しづつ増やしています。
でも私の場合は、リタイアのためにそこまで頑張って給料を投資に向ける気になりません。投資も少ししていますが、今の生活に大部分のお金を割いてしまいます。
なぜかと言うと、結局はキリギリスを養っていかなければならないからです。2040年の日本では、今の税制ではとても国が維持できません。国民は資産の無い人が増え、ますます貧しくなってゆきます。
そこで予想されるのは、配当への大幅な課税強化、もしかすると預貯金への資産課税、少なくとも資産を多く持っている者への給付の削減はあるでしょう。源泉分離で配当を受け取りつつ住民税非課税世帯になることも出来なくなるんじゃないでしょうか。
ようは金がないから金を持っているやつが払えという状態です。こうなると不労所得で生活をしている人が真っ先に槍玉に挙げられてしまいます。若い頃にセコセコ金を貯めた悪の働きアリは、正義の貧しいキリギリスに2000万円を分け与えなくてはいけなくなるのです。これでは不労所得での生活が難しくなってしまう。私はそれを恐れています。
もちろん自分がキリギリスになるつもりは毛頭なく、セミリタイアに向けて資産を増やしてゆくつもりです。しかし今後20年間ずっと、自民党が政権を取り続けて行く保証はどこにもありません。風向きが変わってしまう可能性は充分にあります。
なので、リスクヘッジのために投資一辺倒にならず、所々でお金を使い、幸せの利確をして生きてゆきたいと思っています。